こんにちは、ワールドダイビングの高蜂です。
普段は観る事のできない、魚の寝姿を紹介したいと思います。
青の洞窟や万座方面、沖縄の海で広く観察できるハゲブダイ・沖縄の方便でオーイラブチャーと言う魚
鮮やかな青色で体の中心が黄緑色や黄色に近い事から、体中心の色がはげた様に見える事が名前の由来ではないかと言われています。
青・黄緑・黄色と鮮やかな色をしていて、南国の海にお似合いの魚です。
潜っていると、必ず目に入るくらい鮮やかです。
でも鮮やかなのは雄だけで、雌はびっくりするぐらい地味な色をしています。
普段潜っていて、目に入る鮮やかなハゲブダイは全て雄なんです。
そんなハゲブダイの寝姿も変わっています。
ハゲブダイは岩の隙間などに入り、その隙間の中でさらに寝袋に入って眠ります。
ハゲブダイの周りを包んでいる透明な膜が寝袋です。
ハゲブダイは鰓の周囲に粘膜を出す特別な器官があります。
その器官から粘膜を出し、自身の体を包み込みます。実際は膜ではなく、厚みの有るゼリー状の物質に包まれています。
天敵であるウツボは、臭いで獲物を探し出し捕食していると言われています。
逃げる事の出来ない寝ている時は、ゼリー状の粘膜に包まれて臭いを消していると言われています。
実際の研究でも、粘膜に包まれているブダイと、そうでないブダイでは、粘膜に包まれているブダイが襲われる事は極めて少ない様です。
また最近の研究で、新たな説が解明された様です。
珊瑚にひそんでいる、ウミクワガタから身を守る為だと発表されました。
ウミクワガタはエビやカニに近い種ですが、ウミクワガタの幼生は魚にくっつき、その魚の血液を吸い取り成長していきます。
昼間は、ホンソメワケベラなど寄生虫を食べてくれる魚に掃除してもらえますが、その魚達も夜は寝ています。
ハゲブダイは毎夜粘膜でバリアを作り、寄生虫からみを守っているという事が分かりました。
実際、寄生虫はこの粘膜を通り抜ける事が出来ません。
ハゲブダイの周りに白い物体がいくつもついています。
これは粘膜に付着した寄生虫やゴミです。
寝袋は一晩で使い捨てです。
寝袋を作るのに、毎晩大量のエネルギーを消費しますが、それ位価値のある寝袋です。
こうしてハゲブダイは夜も天敵たちから身を守り、朝になると元気に泳ぎまわります。