昔から残波岬には戦車が沈んでいるダイビングスポットがあるという噂がありました。残波岬は第二次世界大戦末期の1945年4月1日に、アメリカ軍が上陸作戦を開始した場所です。同じ読谷村では大量のライフル「M1ガーランド」が発見されています。
残波岬の戦車が沈んでいるダイビングスポットは「ライオンロック」と呼ばれています。ファンダイビングの残波岬ダイビング【地形派・大物・水中戦争遺跡 etc】でリクエストが可能です。
読谷村のダイビングポイントは沖縄本島中部の読谷村の港からダイビングボートに乗り、約10分~20分ほどで到着します。残波岬方面は地形的なポイントが多く、ドロップオフや水中洞窟、ナポレオンやロンニンアジ、マダラトビエイなどの大物や第二次世界大戦の戦争遺跡などを見ることができます。
読谷村の「残波岬灯台下」、「コウリ残波」、「ツインロック」、「M1ガーランド」、「一文字」「イナン(伊奈武)」、「アリビラ沖」、「大口(ウフグチ)」、などのダイビングスポットとセットでご案内が可能です。
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残波岬のアメリカ軍・上陸作戦
第二次世界大戦末期の1945年4月1日に、アメリカ軍は残波岬から渡具知に至る海岸から上陸をはじめます。日本軍のほとんどは首里攻防に配置されていたため、その日のうちに約6万人が上陸しました。
日本軍がつくった北飛行場(読谷補助飛行場)と中飛行場(嘉手納飛行場)の両飛行場はあっという間に占領されてしまいました。
この上陸作戦で、戦艦10隻、巡洋艦9隻、駆逐艦23隻、砲艇177隻が援護射撃で砲弾44825発、ロケット弾33000発、迫撃砲弾22500発が撃ち込まれました。
残波岬に沈んでいる戦車の正体について
残波岬に沈んでいる戦車の正体は、正式にはLVT(Landing Vehicle Tracked)という名称の水陸両用戦車になります。第二次世界大戦中にアメリカ海軍と同海軍海兵隊が運用した水陸両用トラクター(Amphibious Tractor)です。
略称としてアンプトラック(AMPHTRACK)、アムトラック(AMTRAK)、アムトラク(AMTRAC)などがあります。日本語では「軌道式上陸車両」、日本軍でいう「水陸両用装軌車」になります。
画像 : 沖縄に上陸するLVT。戦艦「テネシー」が火力支援 (ウィキペディア)
LVT(水陸両用戦車)は一般的に知られていた救出車に由来してアリゲーターと呼ばれていました。車両と船舶が一体化されたアリゲーターは1935年に開発されました。以後、開発を重ねて水上速度を改善させ、車両はLVTと名づけられました。
車輌の設計を簡素化するため、LVT(水陸両用戦車)はスクリューのような水上専用の推進機構はありませんでした。代わりに無限軌道の踏面に未舗装地での滑り止めを兼ねた水かき板を設け、陸上同様に動かせば外輪船の要領で漕行することができました。
最初のLVTは24名の乗員と2,000kg(4,500ポンド)の重量物を輸送することができました。当初、船から海岸へ補給物資の輸送を目的としていたため、装甲など防御力が欠如していました。その後、海兵隊はLVTを攻撃性を備えた車両として改良を始めます。
スチュアート戦車シリーズ(M3軽戦車)の砲塔を搭載したLVT-1、M8 75mm自走榴弾砲(スコット)の砲塔を搭載したLVT-4などが採用されました。スチュアートの新型エンジンを搭載してサスペンションを改良することで陸上における機動力も改善されました。
参考サイト : 沖縄に上陸するLVT (ウィキペディア)
LVT(水陸両用戦車)が沈んでいるのは主に水深5M~10Mほどの浅瀬になります。長い年月を経て、形は崩れて、砂に埋まっています。後世に残していきたい貴重な水中戦争遺跡です。
そのほかに沈んでいる水中戦争遺跡
LVT(水陸両用戦車)が沈んでいる周りにはさまざまな戦争遺跡が沈んでいます。弾丸は数えきれないぐらい落ちています。不発弾なども多く、LVT(水陸両用戦車)が崩れたパーツや謎の人工物もたくさんあります。英語の文字が書かれていることがあります。
人工物によっては、火薬が残っている物がある可能性もあります。ダイバーの方は気を付けて下さい。
ライオンロックのダイビングポイントについて
「ライオンロック」はファンダイビングの残波岬ダイビング【地形派・大物・水中戦争遺跡 etc】でリクエストが可能です。
ライオンロックの由来はライオンのような形をした岩が近くにあることからライオンロックと呼ばれるようになりました。LVT(水陸両用戦車)が沈んでいるのは水深5M~10Mほどの浅瀬になります。初心者の方も安心してダイビングを楽しむことが可能です。
「ライオンロック」は南西や南東の風向きが穏やかになります。5月~11月ぐらいがおすすめです。朝は当スクールを8時ぐらいに出発します。2ダイブの場合は12時前後、3ダイブの場合は15時前後の解散になります。読谷村の漁港に現地集合も可能です。
残波岬方面を中心に10ポイント以上のダイビングスポットがあります。地形的なポイントが多いですが、珊瑚が綺麗なダイビングスポット、マクロ好きの方向けのなどさまざまです。又、第二次世界大戦の戦争遺跡が多いのも特徴のひとつです。