ダイビングで使用されるタンク(シリンダー)のバルブにはいくつかの種類があります。日本国内では、ほとんどがヨークタイプのレギュレーターを使用するヨークバルブ(Kバルブ)になります。
今回はヨークバルブ(Kバルブ)とDINバルブの特徴、メリットとデメリット、Oリングやタイプの違いなどの使用上の注意点を解説します。又、リザーブ機能のJバルブについても解説します。ダイバーの方の役に立てたらと思います。
上の写真はDINバルブのタンク(シリンダー)にインサートタイプのアダプターを取り付けてヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターを使用できるようにしています。六角レンチで取り外しが可能です。
DINレギュレーターとヨークレギュレーターについては、DINレギュレーターとヨークレギュレーターの違いをご覧下さい。
目次
テクニカルダイビングではDINバルブが主流になります。当スクールでは国内では数少ないテクニカルダイビングのコースを提供しています。テクニカルダイビングに興味のある方はこちらもご確認下さい。
ヨークバルブ(Kバルブ)とは?
現在、日本国内で主流のバルブはKバルブです。ヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターを使用してバルブの前後を挟み、ヨーク(Yoke)スクリューで締め付けて固定します。ヨーク(Yoke)バルブとも呼びます。タンク側にOリングがあります。国内で通常のダイビングを楽しむのであれば、ほとんどがヨークバルブ(Kバルブ)です。
ヨークバルブ(Kバルブ)のメリット
- 国内で主流のため、タンクやレギュレーターにトラブルがあった場合に対処がスムーズです。
- タンク側にOリングがあるため、レギュレーター側のメンテナンスが少なくて済みます。
ヨークバルブ(Kバルブ)のデメリット
- ヨークスクリューに大きい負担がかかると空気が噴き出す可能性があるため、洞窟や閉鎖環境には向かないです。
- タンク側にOリングがあるため、タンク側のOリングのメンテナンスが必要になります。
DINバルブとは?
DINバルブは主にヨーロッパで使用されているバルブです。DINタイプのレギュレーターを使用してネジ式で固定します。DINとは、ドイツ標準化協会(Deutsches Institut für Normung)の略になります。タンク側の接合部にOリングはありません。テクニカルダイビングでは日本国内も含めて主流になります。
DINバルブのメリット
- ネジ式でヨーク(Yoke)タイプと比べて頑丈なため、200bar以上などの高い圧力のガスを使用することができます。
- ヨークスクリューがないため、バルブの背面に負担がかかっても空気が漏れる危険性が少ないです。
- レギュレーター側にOリングがついているため、タンク側のメンテナンスが少なくて済みます。
- バルブにインサートタイプのアダプターを取り付けてDIN/ヨークの両方のレギュレーターを使用できます。
DINバルブのデメリット
- 国内では流通が少ないため、タンクやレギュレーターにトラブルがあった場合に対処が困難な場合があります。
- レギュレーター側にOリングがついているため、メンテナンスが必要になります。
- 運搬の際にバルブが歪んでしまう危険性があります。インサートタイプのアダプターを取り付けて運搬すると回避できます。
- タンクの充電の際にインサートタイプのアダプターが必要になる可能性があります。
バルブとレギュレーターの接合部のOリング
タンクバルブとレギュレーターの接合部のOリングは、ヨークバルブ(Kバルブ)の場合はタンク側にあり、DINバルブの場合はレギュレーター側にあります。それぞれの環境や考え方によってメリットにもなり、デメリットにもなります。
タンクがレンタルであれば、ヨークバルブ(Kバルブ)の方がOリングのメンテナンスがないため楽です。自分でOリングの管理をしたい方はDINレギュレーターを使用すれば、Oリングを自分でメンテナンスできます。
バルブとレギュレーターのタイプに注意
ヨークバルブ(Kバルブ)にはヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターを使用します。又、DINバルブにはDINタイプのレギュレーターを使用します。間違えてしまうと取り付けができません。
日本国内でタンクを借りて、レギュレーターを購入するのであればDINタイプはほとんど流通していないので心配ありません。海外のサイトでレギュレーターを購入する場合はDINタイプのレギュレーターを間違えて購入しないように注意が必要です。
国内でヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターを使用していてヨーロッパなどでダイビングする場合はDINバルブのタンクの可能性があります。DINバルブはインサートタイプのアダプターを取り付ければヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターも使用できます。
リザーブ機能のJバルブとは?
昔は日本国内でもJバルブと呼ばれるリザーブ機能があるバルブがありました。残圧計が普及していなかった時代にその代用としていたもので、現代ではほとんど使われていません。
Jバルブはタンク内の空気が一定まで低下すると、それを吸気抵抗でダイバーに知らせるようになっていて、ダイバーは呼吸抵抗が増した時点でリザーブバルブのプルロッドを引くと、残りの空気が供給される仕組みになっていました。
DINバルブとヨークバルブ(Kバルブ)の違い まとめ
現在、日本国内で主流のバルブはヨークバルブ(Kバルブ)です。周囲のダイバーと同じ環境で利用できるため、タンクやレギュレーターにトラブルがあった場合に対処がスムーズです。ヨークスクリューに大きい負担がかかると空気が噴き出す可能性があるため、洞窟や閉鎖環境には向かないです。
DINバルブは主にヨーロッパで使用されているバルブです。テクニカルダイビングでは日本国内も含めて主流になります。ネジ式でヨーク(Yoke)タイプと比べて頑丈なため、200bar以上などの高い圧力のガスを使用することができます。
タンクバルブとレギュレーターの接合部のOリングは、ヨークバルブ(Kバルブ)の場合はタンク側にあり、DINバルブの場合はレギュレーター側にあります。それぞれの環境や考え方によってメリットにもなり、デメリットにもなります。
ヨークバルブ(Kバルブ)にはヨーク(Yoke)タイプのレギュレーターを使用します。又、DINバルブにはDINタイプのレギュレーターを使用します。日本国内でタンクを借りて、レギュレーターを購入するのであればDINタイプはほとんど流通していないのであまり心配はありません。
昔は日本国内でもJバルブと呼ばれるリザーブ機能があるバルブがありました。残圧計が普及していなかった時代にその代用としていたもので、現代ではほとんど使われていません。
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