ニシン目 キビナゴ科 キビナゴ属
キビナゴは、ニシン目キビナゴ科に分類される魚の一種です。インド洋と西太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布する小魚で、食用にされます。
成魚は全長10cmほどです。体は前後に細長い円筒形で、頭部が小さく口先は前方に尖ります。体側に幅広い銀色の縦帯があり、その背中側に濃い青色の細い縦帯が隣接します。鱗は円鱗で、1縦列の鱗は39~44枚ですが、剥がれ易く、漁獲後にはほとんど脱落してしまいます。
海中にいるときは背中側が淡青色、腹側が白色ですが、鱗が剥がれた状態では体側の銀帯と露出した半透明の身が目につくようになります。
以前はニシン科に分類され、ニシン科の分類上ではキビナゴ亜科や、ウルメイワシに近縁のウルメイワシ亜科とする見解もありました。学名の種小名”gracilis”は「薄い」「細い」などの意味があり、細長い体型に由来します。
本州中部からポリネシア・メラネシア・オーストラリア北岸、西はアフリカ東岸まで、インド洋と西太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布します。
外洋に面した水のきれいな沿岸域を好み、大きな群れを作って回遊し海岸にもよく接近します。主に動物プランクトンを捕食しています。天敵にはアジ、サバ、カツオ、ダツなどの大型肉食魚やアジサシ、カツオドリなどの海鳥類がいます。
撮影地 沖縄本島 本部町 崎本部