オニヒトデは大型のヒトデで大きさは30センチ~60センチほどまで成長します。多数の腕を持ち、全身が棘に覆われ、体の色は灰色や、オレンジ色、青色などさまざまで、珊瑚の下などに隠れています。たびたび沖縄でも大量発生が問題になり、駆除中の事故も発生しています。成長の速いミドリイシ類やコモン珊瑚類を食べ尽くして、成長の遅い珊瑚まで食べるため、珊瑚を死滅させてしまう危険性が問題視され、サンゴ礁環境のなかでは保全上有害とされています。
オニヒトデは全身を覆う毒針で、人を刺します。特にダイビング中や駆除作業のときに誤って触れてしまい、死亡するケースなどが報告されています。主な症状は痛みや腫れで、痛みは激痛と言われるほどの痛みになります。腫れに関してはすぐに腫れる場合もあれば、数日たってから腫れる場合もあります。指先を刺されただけで手がグローブのように膨れ上がる場合もあるようです。又、場合によっては毒に対してアナフィラキシーショックと呼ばれるアレルギー反応を起こして、呼吸困難などの全身症状を生じる場合があり、最終的には死にいたるケースも発生しています。
もし、刺されてしまった場合はダイビングはすぐに中断して海から上がります。患部に刺さった針が残っていれば取りだし、刺された場所を圧迫してしぼり、毒を体外に出します。毒をある程度除去できたら、患部に45~55度の熱いお湯(できれば55度以上)を長時間かけ続け、毒を死活させます。いずれも医師の手当ては受けるようにしてください。
ダイビング中にふざけて珊瑚礁のためにとダイビングナイフや指示棒で刺したりしているダイバーを見かけますが、とても危険です。