沖縄と言えば、綺麗な海を思い浮かべると思います。
実際、とても綺麗な海です。
綺麗なのは見た目だけでなく、実際にダイビングで潜ってもとても綺麗です。
そんな沖縄の海に、彩りを与えてくれているのがサンゴです。
サンゴは一見植物や鉱物の様に思われがちですが、イソギンチャクやクラゲの仲間に分類される刺胞動物です。
サンゴは動物なので当然、口や触手・胃もあります。
サンゴが積み重なって出来た地形の事をサンゴ礁と呼びます。
ダイビングを行っていると、「浅い所にも魚はたくさんいるんですね」っという言葉をよく聞きます。
確かに本州の浅瀬(ビーチ)で海水浴をやシュノーケリングを行っても魚をあまり観察する事はありません。
沖縄の恩納村にある真栄田岬はシュノーケリングやダイビングで大人気のスポットです。
青の洞窟があることでも有名ですが、足の届く所から魚がすぐに観察できます。
サンゴ礁が魚の住処になっているのです。
サンゴの隙間に卵を産み付けたり、サンゴから排出される栄養分をエサとする魚も居ます。
サンゴの多くは、成長する過程である程度の太陽の光が必要です。
太陽の光の届く比較的浅瀬にサンゴは生息する事が多いので、サンゴの多い沖縄では浅瀬でも魚の観察が楽しめます。
サンゴは動物ですが、植物の様に光合成を行います。
二酸化炭素を吸収し酸素を排出しています。
正確に言えば、サンゴが光合成を行っているのではなく
サンゴの中に共存している褐虫藻が光合成を行っています。
褐虫藻の大きさは、約10マイクロと言われているので、人間の目で観察する事は不可能です。
褐虫藻が光合成を行う時に生産される有機物が、さサンゴの栄養源となています。
本来サンゴ事態に色は無く、褐虫藻の色がサンゴの鮮やかな色となっています。
褐虫藻の育つ適温は25℃~29℃と言われています。
水温が31℃を超えてくると、褐虫藻は死んで行きます。
サンゴに鮮やかな色をもたらす褐虫藻が死んでしまうと、サンゴは本来の色・白色に戻ります。
白色になったサンゴには褐虫藻が居ない為、サンゴの育つ栄養源が得る事が出来ません。
よってサンゴも死滅してしまいます。
これが、サンゴの白化現象です。
サンゴの白化現象が2週間程続くと、サンゴは完全に死滅すると言われています。
夏に海水温が上がり続けるとサンゴは白化し、2週間以内に海水温が下がると何とか持ちこたえてくれます。
僕たちにとっては台風は厄介なものですが。
夏に海水温が下がる要因としては、台風です。
台風が来ることにより、海水温が下がりサンゴの中の褐虫藻の復活してきます。
台風からも守ってくれるサンゴですが、サンゴにも天敵は存在します。
アミチョウチョウウオなどはサンゴの肉を食べて生態を保っています。
オニヒトデはサンゴにとって最も危険な存在です。
オニヒトデは口から直接胃を出し、サンゴを捕食していきます。
動物とは言え逃げる事の出来ないサンゴ、反撃する事もできません。
そんな天敵に襲われた時は、そのサンゴを住処にしている生物が、自分の生活エリアを守る為に反撃に出ます。
こうして、サンゴとサンゴを住処にしている生物は共存しています。
サンゴを住処とし、サンゴを外敵から守ってくれる代表的な生物と言えば
オオアカホシサンゴガニが有名です。
サンゴは海水温が低すぎるのも、生存する事が出来ません。
海水温18℃を下回る海では、サンゴは生存できないため
冷たい海でサンゴを見ることはありません。
大潮の日の満潮
時を狙い、サンゴは産卵します。
そうしてサンゴは広く分布していきます。
サンゴは年に1センチ~10センチしか育ちません。
種類によっては、1年で1センチ未満の成長しかしない種もあります。
途方もなく長い年月をかけて成長し、青い海に彩色をもたらしてくれているサンゴ
故意的にはもちろん、気が付かないうちにフィンで蹴っておってしまうなど無い様、ダイバーも絶対に気をつけなければなりません。