2017年も5月下旬になり、沖縄もどんどん暖かくなっています。海のなかにも季節による変化があり、この時期はガイドとしてもおすすめの期間です。
沖縄ではウミガメや珊瑚の産卵も5月下旬~6月中旬になります。気温と水温が上がることにより、魚達だけではなく、さまざまな生物たちの生殖行為や産卵、そして卵の孵化が観察できます。
写真はダイバーにも人気のクマノミの卵をアップで撮影しています。毎年、水温が24度前後のときにクマノミはイソギンチャクのかげに卵を産みます。クマノミの産卵は1ミリほどの卵を1つずつ丁寧に100個~400個ほど産みます。卵は産んだばかりのときはオレンジ色に近い色ですが、その後に茶色、黒色に変わり目立たなくなります。孵化が近くなると卵の外側(殻)は透明になります。そして卵のなかにクマノミの稚魚がいるのが分かるようになります。クマノミの銀色の目が2つあるのがわかります。
卵が孵化するまで、卵の世話はほとんど雄の役目です。雄はほとんど不眠不休で、胸ビレで卵を煽り、新鮮な海水を送り続けます。そして卵の孵化が近づくと、まるで卵に海水を叩きつけるように、全身で卵を煽るようになります。そうなると孵化も間近です。
さまざまな魚の産卵や孵化があるため、この時期は幼魚が年間で最も多い時期になります。水中写真が好きでマクロ撮影がしたい方は、いまの時期が狙い目です。是非、沖縄の海でお待ちしています。