今回は知らないと怖いダイビングの二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)について徹底解説します。とくにダイビング後の頭痛に良く悩まされているダイバーには必見の内容です。
ダイビングでは窒素中毒や酸素中毒など、タンクの空気によるさまざまな影響が身体に起こります。しかし、ダイバーの方でも二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)はあまり聞いたことがないかもしれません。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)は特殊なガスを使用しなくても通常のダイビングでも起こる可能性があります。
ダイビングで二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)が起きる最も多い原因は激しい運動と速くて浅い呼吸です。換気量が低下すると体内で二酸化炭素が多く作られることになります。
ダイビング後に良く頭痛が起きたり、タンクの空気の減りが遅いダイバーは軽度の二酸化炭素中毒の疑いがあります。
記事の内容は「二酸化炭素中毒とは?」、「二酸化炭素中毒の症状」、「ダイビングの二酸化炭素中毒の原因」、「ダイビングの二酸化炭素中毒の対処法」、「二酸化炭素中毒のまとめ」に分けて紹介します。
ダイバーにとって、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)はとても重要です。重度の場合、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)はダイビング中に意識を失うことによって溺死になる場合もあります。
この記事を読むことによってダイビングで二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)を起こしてしまう原因をしっかりと理解して未然に対処することができるようになります。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)とは?
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)とは呼吸器系と循環器系のなかで二酸化炭素が過剰になった状態を言います。
空気には0.03%~0.05%の二酸化炭素が含まれます。この空気を水深30メートルで呼吸しても、海面換算で0.12%~0.2%の二酸化炭素を呼吸しているに過ぎません。人間の二酸化炭素の許容限度は約0.5%ほどになります。
正常な呼吸をしていれば二酸化炭素中毒には罹りません。しかし、二酸化炭素は代謝作用によって休みなく作られるため、良く排出しなければなりません。呼吸動作は、激しく動いたり、心理的要因で影響を受けやすいです。
海面換算で3%~4%の二酸化炭素によって、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の初期症状の頭痛やめまいなどの症状が起こります。ダイビングでは二酸化炭素が体内に滞留しないように換気効率が良い、ゆっくり深い呼吸をするようにして下さい。
二酸化炭素中毒は高二酸化炭素血症(高炭酸症)や高炭酸ガス血症、二酸化炭素過剰とも言います。英語ではハイパーカプニア(hypercapnia)と言います。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の症状
体内の二酸化炭素の換気が上手くいかなく、血液中の二酸化炭素濃度が上昇すると二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の初期症状の頭痛やめまいなどの症状が起こります。
重症の二酸化炭素中毒の場合は、息切れ、嘔吐、倦怠感、錯乱、痙攣発作、筋肉のひきつり、方向感覚の喪失、パニック、意識消失が起こります。最悪の場合は意識消失によって溺死になる場合もあります。
ほとんどの場合、ダイビング中の二酸化炭素中毒は浮上するにしたがって消失します。ダイビング後に動脈血ガスを検査しても、二酸化炭素濃度の上昇が検出されない場合がほとんどです。
ダイビングの二酸化炭素中毒の原因
ダイビングで二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)が起きる最も多い原因は激しい運動と速くて浅い呼吸です。換気量が減ると体内で二酸化炭素が多く作られることになります。
二酸化炭素のレベルが上昇すると呼吸反射中枢が体を刺激して更に呼吸を速めようとします。また、深度下ではガスの密度が高まるため横隔膜や他の呼吸器系の筋肉が更に二酸化炭素を作り出し呼吸を速めます。
ダイビング中に速くて浅い呼吸になってしまう原因は激しい運動です。大物の生物を追いかけたり、潮の流れに無理に逆らって泳いだり、また初心者のダイバーの場合は中性浮力が上手くできずにフィンキックの回数が多くなってしまうのも原因です。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)が起きる他の原因に「スキップ呼吸」があります。スキップ呼吸は息を吐く前にしばらく呼吸を止める呼吸の仕方を言います。意図的にやる場合と無意識に行う場合もあります。
換気回数が減ると血液中の二酸化炭素が増え、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の原因になります。
特殊なダイビングで通常の40メートルを超える大深度潜水やリブリーザー(呼吸を循環させる装置)と呼ばれる器材を使用してスクラバー(炭酸ガス吸収剤)が正常に動作していないと二酸化炭素のレベルが上昇する危険性があります。
ダイビングの二酸化炭素中毒の対処法
ダイビングの二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の対処法は二酸化炭素が体内に滞留しないように換気効率が良い、ダイビング中は常にゆっくり深い呼吸をするようにして下さい。
ダイビング中の激しい動きになどによって、速くて浅い呼吸になってしまったら、体を動かすのを止めて周囲の岩やロープなどにつかまって体を安定させてゆっくり休んで下さい。ゆっくり深い呼吸に戻ってから動き始めるようにします。
もし、ダイビング中に二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の症状が起きた場合は、体内の二酸化炭素は浮上するにしたがって消失していきます。ダイビングを中止して安全な浮上速度で浮上するようにして下さい。水深が浅くなることによって空気の密度も低くなり、体内の二酸化炭素のレベルも下降します。
又、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)は軽度の場合でもダイビングを中止するようにして下さい。ダイビング後は換気の良い場所でゆっくりと体を休めて水分を補給するようにして下さい。症状が治まらない場合は医療機関と連携を取るようにして下さい。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)のまとめ
今回は知らないと怖いダイビングの二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)について徹底解説しました。とくにダイビング後の頭痛に良く悩まされているダイバーには必見の内容です。
二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)とは呼吸器系と循環器系のなかで二酸化炭素が過剰になった状態を言います。ダイビングではレギュレーターを使用します。速くて浅い呼吸を行ってしまうと換気をさまたげてしまいます。
血液中の二酸化炭素濃度が上昇すると二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の初期症状の頭痛やめまいなどの症状が起こります。
重症の二酸化炭素中毒の場合は、息切れ、嘔吐、倦怠感、錯乱、痙攣発作、筋肉のひきつり、方向感覚の喪失、パニック、意識消失が起こります。最悪の場合は意識消失によって溺死になる場合もあります。
ダイビングで二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)が起きる最も多い原因は激しい運動と速くて浅い呼吸です。
他の原因に「スキップ呼吸」があります。スキップ呼吸は息を吐く前にしばらく呼吸を止める呼吸の仕方を言います。換気回数が減ると血液中の二酸化炭素が増え、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の原因になります。
ダイビング中に二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)の症状が起きた場合は、体内の二酸化炭素は浮上するにしたがって消失していきます。ダイビングを中止して安全な浮上速度で浮上するようにして下さい。
ダイバーにとって、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)はとても重要です。重度の場合、二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)はダイビング中に意識を失うことによって溺死になる場合もあります。
この記事を読むことによってダイビングで二酸化炭素中毒(ハイパーカプニア)を起こしてしまう原因をしっかりと理解して未然に対処することができるようになります。
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