写真:エモンズ USS EMMONS (2021年撮影)
レックダイビングのレック(wreck)とは、英語で難破や破壊、難破船、海難を意味しています。一般的に何らかの理由で沈んだ船、または船だけでなく飛行機などの人工物を目的に、その周辺や内部でダイビングを楽しむことを、ダイビングの用語でレックダイビングと呼ばれます。日本では沈没船ダイビングのことをレックダイビングと指すこともあります。
海底に沈んだ軍艦、輸送船、戦闘機などがダイビングスポットになっている場所は日本国内にも海外にもたくさんあり、レックダイビングが楽しめます。
日本国内のレックダイビングで有名なのは沖縄(USS EMMONS)、南紀白浜(沈船)、土肥(沈船)、宮古島のカーフェリー、与論島(沈船あまみ)、熱海(沈船)、小笠原諸島などがあります。
海外ではレックダイビングのメッカであるチュークやマルタやパラオをはじめ、沈没船や飛行機などレックポイントは世界中に数多くあります。
今回は国内と海外のレックダイビングのスポットと資格(ライセンス)についてアップします。
当スクールではエモンズ(USS EMMONS)でレックダイビング(沈没船)・スペシャリティを開催しています。
沖縄(USS EMMONS)
沖縄本島から橋で渡っていける古宇利島の沈没船です。エモンズ(USS EMMONS)は米軍の駆逐艦になります。第二次世界大戦の1945年4月6日、大規模に展開された日本の特攻機の攻撃に際して標的とされ、5機によってほぼ同時に攻撃を受けました。1機が三番砲塔の喫水線付近に突入し、弾薬庫に引火、大爆発を起こし、左舷船尾と戦闘情報センターが炎上したため、翌日の4月7日、敵の手に渡ることを避けるため海没処分とされました。この戦闘でエモンズの乗員60名が戦死し、77名が負傷しています。エモンズのすぐ近くには旧日本軍の特攻機「九八式直接協同偵察機」も沈んでいます。
当スクールのエモンズ 沖縄の沈没船・レックダイビングでご案内しています。
宮古島 カーフェリー
写真:宮古島 カーフェリー (2015年撮影)
宮古の沈没船があるダイビングスポットは宮古島から伊良部島へ向かう途中、伊良部島の周辺に位置します。宮古島と伊良部島を往来する定期船のカーフェリーが水深15M前後に沈んでいて、損傷は少なく、まだまだ原型を留めています。南風など夏場がベストシーズンのダイビングスポット。
南紀白浜(沈船)
和歌山県西牟婁郡白浜町の水深18Mに沈む全長31Mほどの沈没船です。レックポイントとして意図的に沈められた船で、周りにはアジやイサキなどが群れています。内部にはキンメモドキやネンブツダイなどが群れています。水深が浅く初心者から可能です。ペネトレーション(内部侵入)も気軽に楽しめます。
海外のレックダイビング
海外ではレックダイビングのメッカであるチュークやマルタやパラオをはじめ、沈没船や飛行機などレックポイントは世界中に数多くあります。私は2007年ごろにサイパンでガイドをしていた際に日本の松安丸という貨物船や大日本帝国海軍の飛行艇である二式飛行艇のダイビングスポットをガイドしていました。
レックダイビングのダイビングライセンス・資格
レックとは「難破船」を意味しており、レック・ダイビングは海底に沈んだ船の周囲を楽しみます。当スクールでは第二次世界大戦の沈没船USSエモンズになります。乗船料が別途8800円(税込)かかります。2ダイブの経験を積み1日で取得できます。チェックダイブ後で経験本数60ダイブ以上のご参加になります。
参加条件 アドバンスウォーター保持者 年齢16才以上 ※別途料金 教材セット、申請手数料 ¥9900(税込) |
- お1人様の場合はシングルチャージで別途11000円(税込)のご案内になります。
レックダイビング(沈没船)・スペシャリティの詳細はこちらから
レックダイビングのスポットと資格 まとめ
写真:エモンズの副砲40mm連装機関砲・崩壊前(2020年撮影)
近年、レックダイビングのスポットにするために意図的に沈めた沈没船や飛行機のダイビングスポットが増えてきています。しかし、第二次世界大戦など実際に戦争で沈んだ沈没船や飛行機は長い年月をかけて世界中でどんどん朽ちてきています。いま原型を留めている沈没船や飛行機も老朽化が進み崩れていきます。
私が2007年に撮影したサイパンの松安丸と二式飛行艇も現在はほとんどバラバラになってしまったと聞いています。2021年にはエモンズ(USS EMMONS)の副砲40mm連装機関砲が崩壊しました。老朽化が進みバラバラになる前に写真に残して後世に繋いでいけたらと思います。
エモンズ(USS EMMONS)や特攻機について詳しくはエモンズ(USS Emmons)・ダイビングポイントもご覧ください。