写真:メインテラスの階段
沖縄の与那国島は南西諸島八重山列島の島で日本の最西端に位置する島です。沖縄本島の那覇空港から飛行機で約1時間30分、沖縄本島から南西へ約509km、石垣島からは124kmの位置になります。日本最果ての島で国境の島と呼ばれています。
与那国島には世界的にも有名な「与那国海底遺跡」があります。この与那国海底遺跡は与那国島(沖縄県八重山郡与那国町)南部の新川鼻沖の海底で発見された海底遺跡です。
正式には「与那国島海底地形」という名称ですが、遺跡説の立場からは「与那国海底遺跡」、「与那国島海底遺跡」とも呼ばれ、遺跡説と自然地形説の中立的な立場を取るために、「海底地形」という名称になっています。
与那国海底遺跡については、自然地形の説と、遺跡などの人工的な構造物のいくつかの説があります。毎年のように調査が進んでいますが現在の有力な説は残念ながら自然地形説です。
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与那国海底遺跡・自然地形説
与那国海底遺跡の自然地形説は、この地域の地質はもともと侵食されやすく、垂直や水平の階段状の部分は、マグマの冷却時に規則的な亀裂が発生し、それに沿って岩石が侵食される「方状節理」という現象の説です。階段状部分の高さがまちまちであり、高いところでは1段につき1m以上もあることからも、人工の構造物ではないことが裏付けられるとされています。
又、遺跡は東南方向に沿って垂直に10度から15度ほど傾いています。これは200万年以上前に形成された八重山断層群に沿った傾斜であり、「遺跡」が造られた後に傾いたものではないと発表しています。
与那国海底遺跡・古代遺跡説
与那国海底遺跡の古代遺跡説は、琉球大学理学部教授であった(現在は同大学名誉教授)木村政昭教授を中心に調査されています。木村教授は、道路、石組み、敷石、排水溝と推定される地形、巨石の組み合わせ、クサビを打ち込んだような20センチから30センチ間隔で並ぶ竪穴跡、周囲を壁面で囲まれた平面、左右対称の加工跡をともなっているテラス状の地形など発表しています。
又、遺跡説には古代文明遺跡説と中世遺跡説があります。古代文明遺跡説はかつて古代文明がこの地に存在し、何かに使用した建物であるという説です。新嵩喜八郎主催の与那国海底遺跡博物館では、約1万年前に海面上昇により水没した世界最古の古代遺跡と主張しています。
中世遺跡説は2005年から2006年にかけて、遺跡の全貌の把握ならびに年代特定のために、琉球大学主催で本格調査が実施され、採集した遺跡のサンプルから年代の特定が行われた結果、遺跡が水没した年代は、10世紀後半から11世紀前半にかけての時代であることが判明したと主張しています。
与那国海底遺跡・自然地形加工説
与那国海底遺跡は自然地形加工説というのもあります。地質学者でボストン大学准教授のロバート・ショックは、この地形は基本的に自然のものであり、人によって加工が施されて神殿として用いられたとの説を唱えています。海底地形は95%以上が自然のものであり、ヨーロッパにおける洞窟壁画と同様に古代人がそれに手を加えたものであろうと発表しています。
紀元前8000年代には与那国島は北回帰線(夏至線)に非常に近い位置にあったため、この地形はおそらく天文学的にこれに整列する神殿であったのだろうと指摘しています。
与那国海底遺跡のまとめ
写真提供 : 与那国島海底遺跡の真相!?
与那国町は与那国海底遺跡の文化財指定に向けて学術的評価を行う調査事業を進めています。そして、古代遺跡説、自然地形説のどちらにしても保護されるべき対象であるという動きがはじまっています。
与那国島のダイビングは「与那国海底遺跡」の他にも、ハンマーヘッドシャークの群れなど、上級者向けのダイビングスポットがとても多いです。経験の少ないダイバーは、経験本数をしっかりと増やし、ドリフトダイビング、ディープダイビングの経験を積み、経験を積んでからダイビングを楽しんで下さい。
一般的に沖縄のダイビングベストシーズンは温かい夏ですが、与那国島は12月~2月がベストシーズンになります。
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