小笠原の海底火山噴火の影響によって沖縄本島に漂着した「軽石」にエボシガイが付着し、海面を漂って生活している。
エボシガイについて
エボシガイ(Lepas anatifera)は、固着性の甲殻類の一種。蔓脚類(広義のフジツボ類)に分類される。
体は5枚の白い殻板に覆われた頭状部と、殻板のない柄部からなる。殻板は白くて表面はなめらかだが、成長線と呼ばれる筋がある。流木などの漂流物や船底に集団で付着して生活し、全世界の海洋に広く分布する。漂流物とともに海岸に流れ着き、漂着物として採集されることもある。蔓脚を用いて小型のプランクトンを食べる。
軽石による生態系への影響
写真:恩納村・真栄田岬(撮影日:2021年10月29日)
水面に軽石があることで、水中に太陽の光が届かず魚の餌になる藻類の成長が妨げられている。
また、水中に沈んだ軽石を生き物が餌と間違って飲み込んでしまい命を落とすこともある。
その一方で、物質を吸着させやすいという性質を持つ軽石は、藻やフジツボ、サンゴなどあらゆる種類の生物の漂流を手助けし、拡散に寄与している。エボシガイもその一つである。
このことから、近年危機が叫ばれているサンゴ礁などの沿岸環境を回復させる可能性が考えられる。
写真:恩納村・ざねー浜(撮影日:2022年1月25日)
軽石による生態系への影響を懸念されている一方で、寄与していることもあるのかと思うとまた難しい問題だと改めて思う。
写真:沖縄本島 本部町 崎本部
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